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我が家が子育てを始めたのは、賃貸の1LDKでした。夫婦2人で暮らすには不自由のない部屋で、家電や食料品のストック、本などは、大人が使いやすい位置に置いてありました。
子どもが生まれてから、その配置を少し違う目で見るようになりました。まだ子どもはベッドを中心に過ごしていましたが、いずれ立ち上がり、手を伸ばすようになります。そのとき、今ある物に手が届いてしまうのではないか。そもそも遊ぶ場所を用意できるのか。
子育てをしながら賃貸の物件を選び直すとき、我が家が考えたのは広さだけではありません。子どもの手が届く範囲、遊ぶ場所、家事中に見守れる配置。それに、エレベーターや周囲の道路まで含めて、暮らす場所を考えました。
大人には使いやすかった1LDKで、気になり始めたこと
妻は出産前から、子どもが生まれたら部屋が手狭になるので引っ越した方がよいと言っていました。一方、私は3人でも暮らせると思っており、当初は引越しに前向きではありませんでした。
ところが、実際に子どもが生まれると、ベビーベッドやおむつなど、子どもの物が加わっただけでも部屋は狭く感じました。ただ、私が引越しを考えるうえで大きかったのは、今の手狭さよりも、子どもが動き始めたあとの暮らしでした。
大人が使いやすい位置に置いていた家電や食料品のストック、本は、子どもが立ち上がれば手が届く高さにありました。これから動くようになったら、そのままでは置いておけないと考えました。
もう一つ気になっていたのは、部屋を仕切る余地がないことでした。ベビーサークルを置くスペースも、ベビーゲートを設置するスペースもありません。なかでも、キッチンとの間に仕切りを設けられないことを、私は最もリスクがあると感じていました。そのため、子どもの日々の行動を考えた部屋を1から作りたくなりました。
子どもが動き始めれば、部屋の中で遊ばせる場所も足りなくなる。そんな先の生活が容易に想像できました。生後半年ごろ、我が家は1LDKからより広い部屋へ引っ越しました。
新居で変えたのは、物を置く位置
新居では、旧居で気になっていた物の配置から考え直しました。
重たい物や、電気ケトルのように熱くなる物は、子どもの手が届く範囲に置かないことを徹底しました。大人が使いやすい位置にあるというだけで、そこを定位置にしない。子どもがどこまで手を伸ばせるかを考えて、物の置き場所を決めました。
また、ぶつけたら痛そうな箇所にはコーナークッションを付けました。物を手に取ることだけでなく、子どもが部屋の中を動くことも想定した工夫です。
キッチンを仕切り、家事中も見守れる場所を作る
キッチンの入り口には、日本育児のベビーゲートを設置しました。旧居では仕切りを付けることができなかった場所です。新居では、キッチンと子どもが過ごす場所を分ける配置にしました。

親が料理をするときにも、キッチンから子どもの様子が見えるようにしたい。そうした配置をイメージしながら、部屋選びと部屋作りを進めました。新居では、キッチンから見える位置にベビーサークルを設置しました。

ゲートやサークルを置くこと自体が目的というより、子どもの過ごす場所と私の家事の場所をどうつなげるか。そのために必要なスペースがある部屋を選び、実際に設置できたことが、旧居との違いでした。
当時使っていたのは、カトージの「ベビーサークル 2ドア コロコロランド」です。この製品は現在廃番になっていますが、現在は「ベビーサークル 2ドア コロコロランドⅡ」が販売されています。
エレベーターや道路、街灯まで見た物件選び
住まい選びで考えたのは、部屋の中だけではありませんでした。物件を選ぶ際には、エレベーターがあることも条件にしました。
旧居にはエレベーターがなく、外へ出るには階段を使っていました。ベビーカーを持ちながら子どもを抱っこして階段を上り下りするのは危ないと感じ、移動には抱っこ紐を使っていました。階段の上り下りそのものも、私が引越しを考える理由の一つでした。
さらに、マンションや街の雰囲気、周囲の道路状況も重視しました。車通りの多い道路、歩道のない場所、街灯が少なく暗い場所は避けました。
家の中で子どもがどこへ手を伸ばすかを考えたのと同じように、家の外では、子どもと一緒に移動するときの周囲の環境を考えました。
子どもが動く暮らしを基準にした家選び
子どもがどこで遊び、キッチンに立つ親からどう見えるか。外へ出るときに、どんな階段や道を通るか。そうした場面を思い浮かべると、部屋に求める広さや配置も、建物や街に求める条件も、具体的になっていきました。
大人がどこに手を伸ばすか。それを基準にしていた部屋から、子どもがどこに手を伸ばすかを想像して選ぶ家へ。私にとってあの引越しは、広さを変えるだけでなく、誰の行動を思い浮かべて住まいを見るかが変わった経験でした。
